いま、世界中で「ZEN（禅）」が注目されています。
禅とは、姿勢を正して坐り、心を静め、自分自身を見つめ直すことで、誰もが本来もっている仏の心に気づく修行の道です。
そのシンプルさと奥深さから、宗教や文化の違いを超えて、多くの人々に受け入れられています。

「今、この瞬間を大切にする」という禅の考え方は、特にめまぐるしく変化する現代社会に生きる私たちにこそ必要とされているのかもしれません。
都会で夜空を見上げても、明るい光にかき消されて星はあまり見えないでしょう。けれども田舎に行けば、満天の星空を眺めることができます。
新幹線で速く移動していると、野に咲く小さな花には気づけません。しかし、ゆっくり歩いていれば、道端に咲く一輪の花の力強さや美しさに心を寄せることができます。

禅とは、そうした日常にあふれる「小さな大切なもの」に気づかせてくれるものです。
心のざわめきを鎮め、周囲のノイズを抑えたときにはじめて見えてくるもの、感じ取れることがあります。
それこそが、禅が教える「今を生きる」という智慧なのです。