泊崎大師堂
守徳寺から車で5分ほどの泊崎(はっさき)地区には、弘法大師をおまつりしている「泊崎大師堂」があります。
泊崎大師堂は、弘法大師(空海)が大同年間(806~810年)にこの地を訪れ、座護摩(護摩修法の一つ)を修められた場所に建てられたと伝えられています。現在のお堂は、寛保4年(1744年)に再建されたものといわれています。
古くから縁結びや長寿にご利益があるとされ、近年では「長患いせずに安らかに人生の最期を迎えられる」との信仰も広まり、多くの方々の信心を集めています。
この泊崎大師堂は、泊崎地区の自治会の皆さまが日頃より大切に管理してくださっています。心より感謝申し上げます。
平成27年(2015年)12月21日には、自治会の皆さまのご尽力により大師堂が再建されました。大地震にも耐えられるようしっかりと基礎を打ち直し、さらにお堂の色も美しく塗り直されています。
この再建の様子は、茨城県南地域のフリーペーパー「常陽リビング」の1面にも大きく取り上げられました。
弘法の七不思議
泊崎には、弘法大師(空海)がこの地を訪れたときにまつわる数々の言い伝えがあり、「弘法の七不思議」として今も語り継がれています。
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駒の足跡(こまのあしあと)
弘法大師が馬に乗って泊崎を訪れ、小川に架かる石橋を渡ったとき、駒のひづめの跡が石に残ったと伝えられています。 -
木瓜(ぼけ)
弘法大師が通った山道に生えていた木瓜は、それ以降、不思議と実をつけなくなったといわれています。 -
逆松(さかさまつ)
弘法大師が持参した松の枝を地面に挿したところ、逆さに根付いて地を這うように育ったため、逆松と呼ばれるようになったと伝えられています。 -
硯水(すずりみず)
弘法大師がこの地で文字を書く際、湧き水を使って墨をすったと伝えられています。この湧き水を使って習字をすると字が上達するといわれています。 -
独鈷藤(どっこふじ)
弘法大師堂の地にあった藤の節々が、仏具の独鈷(両端のとがった法具)に似ていたことから、独鈷藤と名づけられたと伝えられています。 -
五葉の杉(ごようのすぎ)
弘法大師堂の敷地にあった杉の葉が、珍しく五枚一組で生えていたため、五葉の杉と呼ばれるようになったと伝えられています。 -
法越(のっこし)
弘法大師がこの地で千座護摩の修法を終え、他の地へ向かう際に馬で川を渡った場所が「法越」と呼ばれています。そこは不思議と藻が生えなかったと伝えられています。
これらの不思議は、泊崎の人々が弘法大師のご遺徳を深く敬い、代々語り継いできた大切な伝承です。
お参りの際にはぜひこの七不思議の物語にも思いをはせてみてください。







